「緊張すると手汗がでてしまって…汚くて嫌だ」「汗っかきだから足が臭い」、手汗や足汗に対してネガティブに感じていたりコンプレックスをもっていませんか?この考え方は、ちょっと間違っています。
今回は手汗や足汗についての間違った認識をやめて、コンプレックスを解消してもらえる「汗の種類」についての情報をお伝えします。
- 手汗が出てしまい自分の手がベタベタしているとか汚いと思っている人
- 汗かきのせいで足が臭っていると思い込んでいる人
こんな方は汗の本当の性質を知れば、自分へのネガティブな気持ちをなくすことができますよ。
ブログを書いているsissyは、化粧品メーカーに15年勤めるアラフォーです。スキンケアが専門で、お肌や化粧品の正しい知識をブログで発信しています。
手汗も足汗も汚くない【汗は無臭で99%が水】
手のひらから出る汗の「手汗」も、足の裏から出る「足汗」も、実際はまったく汚いものではなく臭いもベタつきもない99%が水分です。
なぜなら手のひらにも足の裏にも毛穴がないため、皮脂も臭いを発する汗も出ないからです。
足が臭うのは足から出る汗の臭い、手がベトベトしているのは手汗のせい…これは間違いなのです。
手のひらにも足の裏にも毛穴がない【臭いを発する汗も油も出ない】
手汗も足汗も、本来は臭ったりベタベタしたりしないほとんどが水分のような汗です。それは、手のひらと足の裏に毛穴がないことと関係しています。
手のひらにも足の裏にも毛穴がないこと、気づいてましたか?
汗の出る場所“汗腺”は2つある【2種類の汗の違い】
汗は皮膚の汗腺という部分から排出されますが、汗腺は2つあってそれぞれ汗の性質が違います。大きく分けると、「毛穴から出る汗」と「汗口から出る汗」です。
アポクリン腺
毛穴で毛包(毛根を包む袋のようなもの)に付随している汗腺。アポクリン汗腺から出る汗は、毛穴から分泌されます。本来無臭ですが、たんぱく質や脂肪を含んでいるので皮脂線から出る脂肪酸と混ざり、空気中の細菌などによって分解されると臭いを発します。
アポクリン汗腺があるのは、ワキの下、ヘソ、外陰部などのごく一部だけ。毛穴もない手のひらや足の裏から出る汗は、当然この種類の汗ではありません。
エクリン腺
ヒトが生まれたときから持っている汗腺で、真皮内に独立して存在していて、毛穴とは全く別のもの。全身にくまなく分布しています。一般的な汗はほとんどがエクリン腺から出る汗です。99%は水分で、わずかに塩分や尿素、乳酸などを含んでいますが無臭です。
エクリン腺は手のひら、足の裏、頭部に多く見られるので、発汗も多くなります。
ほとんどの汗は無臭なのに足汗が臭う理由【発汗量が多いから】
手汗も足汗もエクリン腺から出る99%水分の無臭の汗のハズなのに、なぜ足が汗をかくと臭ってしまうのでしょう??
それは手のひらと足の裏にエクリン腺が多いことが原因です。
汗の量が多いと菌と混ざりあってニオイが発生
汗のpH(ペーハー/酸性かアルカリ性か?)はもともと弱酸性ですが、汗の量が多くなると、余分な汗が長く皮膚の表面にとどまるので、pHは次第に弱アルカリ性に傾いていきます。弱アルカリ性に傾くと、皮膚表面の殺菌の繁殖を抑えている働きが弱くなってしまいます。
菌が繁殖して角層のたんぱく質や脂肪を分解し、低級脂肪酸などの揮発性物質となって特有な臭気を発してしまいます。この臭いは、「イソ吉草酸」という物質を含み足特有のニオイを発生します。
汗をこまめにケアすればニオイもベタつきも防げる
手汗も足汗も、汗そのものは水のようなものです。量が多く、そのままにしておくからニオイやベタつきの元になっているだけ。
こまめにケアすれば、ベタつきもニオイも防ぐことができます。
手汗…ハンカチやウェットティッシュなどでマメに拭く。手の洗い過ぎは、手荒れを招くので要注意。洗わなくても、水分なので拭き取ればOK。
足汗…靴下やストッキングの取替や、靴を毎日同じものを履かないこと。入浴の際は、菌が発生しやすい指の間や爪の間なども丁寧に洗浄し、水分を拭き取ること。
汗は無臭でサラサラ【肌のうるおいを守る大切なもの】
「汗くさい」なんて言葉があるように、汗はありがたくないものに扱われがちです。けれども汗は無色透明の液体で、ニオイはなく99%が水分でサラサラとしているものです。
肌は「皮脂膜」という天然のクリームのような肌を保護する膜で覆われています。皮脂膜を作っているのが、皮表脂質(皮脂に角質由来の脂質が混ざった油分)と水分である汗です。
汗は肌の保護だけでなく、体温の調節にもかかせないもの。
手汗のベタベタも足汗のニオイも汗だけが原因ではないので、丁寧にケアしていれば清潔な状態をキープすることができます。ネガティブに考えずに汗と上手に付き合ってきましょう。
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