マスクを長時間つけていると、毛穴の黒ずみ汚れが目立つようになったという人も多いのではないでしょうか?
毛穴汚れが「オイルクレンジングで取れる」という話をきいて、一生懸命実践している人がいますが、実はこれは悪手。オイルクレンジングは、かえって毛穴に悪影響を与える可能性があります。
今回は、オイルクレンジングがどんなものなのか?肌とくに毛穴の汚れにどんな作用があるのか正しい情報をお伝えします。
このブログを書いているsissyは、化粧品メーカー勤務のアラフォーです。スキンケア化粧品作りに携わる化粧品のプロ。口コミで広がっているスキンケアの都市伝説ではなく、正しい情報をお伝えします♪
オイルクレンジングで毛穴の汚れの除去はできません
オイルクレンジングで毛穴の黒ずみなどの汚れを完全に取れることはありません。なぜなら毛穴は肌の表面(表皮)だけでなく深い部分(真皮)まで到達する深い穴だからです。穴の深い部分から詰まっている汚れを、表面からオイルで擦ってなじませただけでは奥のほうの汚れまで取り去ることは不可能です。
黒ずみが取れてもまたすぐに復活
「え?私はオイルクレンジングしたら黒ずみ汚れがなくなったよ!?」というそこのあなた。それは表面の黒ずみが一時的に取れただけです。
黒ずみは毛穴に詰まった角栓が空気に触れて酸化し、黒く変色したものです。毛孔の出口付近の角栓が黒くなっているのでその部分だけは確かに取れていますが、奥のほうに詰まった角栓までは完全に取れていないので、またすぐに詰まって黒ずみが復活してしまいます。
毛穴汚れが悪化?オイルクレンジングにはデメリットもあり
オイルクレンジングは毛穴の黒ずみ汚れをケアするどころか、使い方によっては肌に悪影響を与えることがあります。
オイルが毛穴に残る
クレンジングオイルは、完全に流しきれずに毛穴の中に残ってしまうことがあります。
毛穴に油分が残るとまた角栓がつまったり、ニキビができる原因になってしまいます。
オイルはもともと水とは相いれないもの。ぬるま湯でも完全に流しきることは難しく、それを落とそうとして過度に洗うと今度は肌に必要な皮脂や保湿成分のNMFまで落として乾燥の原因になってしまいます。
洗浄力も界面活性剤も強いオイルクレンジング
オイルクレンジングは、界面活性剤も多く配合されています。クレンジング力が強い分、肌への刺激の大きくなるということなのです。
そもそもクレンジング料とはどのような仕組みなのかを考えてみましょう。
クレンジング剤とはメイクなどの油性の汚れを落とすためのもの。
油に水はなじみませんが、油に油はなじみます。そこで油性のメイクに油をつけるとすぐになじんでメイクが肌から浮かびあがってきます。次は、メイクを浮かびあがらせた顔料まみれの油を落とさなければなりません。ふき取るだけだと表面には油分がのこってしまうから、洗い流すのが適切ですが油は水だけでは洗い流せません。(油ギトギトのお皿は水で洗っても落ちませんよね?)そこで登場するのが界面活性剤です。
界面活性剤は、水と油という混ざり合わないものをなじませる働きがある成分です。油性成分のオイルを水で流すためには、たくさんの界面活性剤が必要です。
界面活性剤の配合量をクレンジングの種別に並べると…
オイル>油系ジェル>水系ジェル≧クリーム>ローション≧乳液
このようになります。
クレンジング力は…
オイル>油系ジェル≧クリーム>水系ジェル≧乳液>ローション
このようになります。
いずれにしても、オイルが洗浄力と界面活性剤の量が最大です。
毎日使うと肌の乾燥やニキビの原因に
クレンジング力が強く、オイルが毛穴に残る可能性も多いオイルクレンジングは、毎日使うと肌の乾燥やニキビなどの肌あれの原因になる可能性があります。
オイルクレンジングが適しているのは、ウォータープルーフや舞台化粧などの汗や皮脂に強いメイクを落とすとき。一般的なメイクをしている人が毎日使うには刺激が強すぎて、デメリットが大きすぎるのです。
毎日使うクレンジングにはクリームタイプが最適
クレンジング(メイク落とし)は毎日使うものだから、できるだけ肌への負担が少なくてメイクはしっかりと落とせるものが最適。それがクリームやペーストタイプのクレンジング料です。
クリームタイプやペーストタイプは、油性成分と水や水溶性成分、界面活性剤、訴求成分がバランスよく配合されていて、界面活性剤の種類もさまざまなタイプを配合できるのでバラエティが豊富で、自分の肌質や目的にあわせて選べるのが利点です。
泡立ちや使用感にも優れ、弱アルカリ性~弱酸性のもの、洗浄力も弱いものから強いものまで種類が豊富です。
毛穴の汚れを取るなら酵素洗顔やクレイパック
毛穴の黒ずんだ汚れをとるなら、オイルクレンジングを使うのでなく次のようなアイテムがおすすめです。
- 酵素洗顔
- クレイパック
- ピーリング
それぞれについては、毛穴の黒ずみケアにおすすめ理由や詳しい使い方、おすすめアイテムを別のブログ記事で紹介しています。ぜひ読んでみてくださいね。
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