「導入化粧水」って知ってますか?
スキンケアで、通常の化粧水の前につける化粧水のことです。
- プレ化粧水
- ブースター化粧水
- ふき取り化粧水
こんな言い方をすることもあります。美容液の場合もあるし、化粧水でもさらさらだったり、とろみがあったり、オイルタイプだったり、商品によってテクスチャーはいろいろ。
最近は、[MUJI]ブランドから販売されている導入化粧水がかなり売れている模様。男性もメンズ美容に使っている人がいるようです。
ところでこの「導入化粧水」、スキンケアをするうえで必要なのでしょうか?
今回は、スキンケア化粧品を製造販売しているプロの目線でぶっちゃけ「導入化粧水」はどんなものか?についてお伝えします。
このブログを書いているsissyは、化粧品会社勤務15年。スキンケア化粧品を製造販売するプロです。
導入化粧水は肌を痛める原因に
導入化粧水は、長期的にみて肌を痛める原因になります。
- 乾燥しやすくなる
- シミができる
- 肌あれする
こんなことが起きる一因に。
なぜなら・・・、次のような理由からです。
- ・大抵の場合、コットンでふき取る使い方をするから
- ・界面活性剤やアルコールが入っているから
結論としては、スキンケアのラインナップに「導入化粧水」は必要ない!ということに。
導入化粧水とは?
導入化粧水は、その使い方と中身(配合されている成分)が肌を痛める原因になります。
導入化粧品の用途とその目的は、肌を整えてその後のスキンケア成分の浸透を高めることです。
けれどもそれは肌にとって必要不可欠ものなのでしょうか?
肌を整えて成分の浸透をよくする導入化粧水
導入化粧水は、具体的には次の3つの作用を目的にしています。
- 肌を柔らかくする
- 汚れをとる
- 角質を取る
導入化粧水によるこの作用で肌が整うと、その後につける化粧品の成分浸透がよくなるわけです。
導入化粧水に配合されているもの
導入化粧水の中身(配合成分)は、主に次のようなものです。
・肌を柔らかくするためのもの・・・水分や油分(ともに基材)、保湿剤
・汚れを取るためのもの・・・界面活性剤、エタノール(アルコール)
・角質を取るためのもの・・・ピーリング成分など
すなわち、肌を美しくする効果がある美容成分は配合されていなくて(例えば美白成分とか、ハリをUPする成分など)ほとんどが肌を整えるだけの「整肌成分」しか配合されていません。
水分や油分は確かに肌を柔らかくしますが、美容成分が配合されていないならドラッグストアや100均で販売されているような、ほとんど水の激安化粧水と変わりありません。
汚れをとるための成分には、界面活性剤やエタノールが配合されています。これは言わずとしれた、肌に刺激となることがある成分。頻繁に使い続けると・・・乾燥などの肌あれの原因になります。
コットンでふき取る導入化粧水は最悪の使い方
もし導入化粧水の使い方が、コットンに浸してそれで肌をふき取るような使い方なら、それは最悪です。
コットンを肌の上で滑らせる摩擦は、肌には刺激になりとっても良くありません。
導入化粧水も商品によって使い方が異なるので、ただつけるだけでよい使い方のものもありますが、コットンでふき取る使い方のものは、自分で自分の肌を痛めつけているようなものです。
本当に肌が綺麗になるかというと・・・
界面活性剤、アルコール、コットンの摩擦・・・肌を整えるだけの働きなのに、デメリットのほうが多く感じる「導入化粧水」。なぜこんなにHITしているのでしょう?
マーケティングの賜物
ひとつは化粧品メーカーのマーケティング。通常の柔軟化粧水だけを売るよりも、導入化粧水もラインナップしたほうが、2本の化粧水が売れるわけです。
確かに浸透がよくなっている“気がする”
肌を柔らかくする導入化粧水をつけた後は、確かに化粧水や美容液の浸透がよいような“気がします”。けれども、それは表面の0.2ミリしかない角質層だけの話。
化粧水は、角質層の下にありコラーゲンを作り出している真皮層へ浸透することはできません。表面のごく浅い部分での浸透を高めても、肌の水分力をUPしたり、コラーゲンを増やすなどの美容効果を発揮することはできないのです。
やっぱりいらない導入化粧水
導入化粧水そのものには美容効果はなく、美容効果もつ化粧品のお手伝いをするといったアイテムです。
その割に、使うことでもデメリットが小さくありません。
導入化粧水を使うことでその分コストも使用の手間もかかるわけなので、わざわざ使う必要はない化粧水なのです。
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