最近いろいろなタイプの美容液が出てきて、戸惑う人が多くなったようです。
美容液ってどのタイミングで塗ればいいの?
美容液の順番って化粧水の前?後?
せっかくの高価な美容液も、順番を間違えば美肌効果は台無しに…。今回のブログでは化粧品メーカー勤務でスキンケア商品を作っているプロのsissyが、美容液を肌に塗る順番の正解と理由を詳しくお伝えします。
基本的なスキンケアの順番が解っていれば、どんな美容液を使う場合でも順番に迷わなくなります。正しい順番を覚えて、美容液の効果UPで美肌になりましょう!
美容液を塗る順番【化粧水の後につけるのが正解!】
美容液は化粧水の後、乳液やクリームの前につけるのが正しい塗る順番です。
《1.洗顔→2.化粧水→3.美容液→4.乳液又はクリーム》これが基本。
美容液の順番が化粧水の後の理由は?【ポイントは水分と油分の量】
- 美容液を化粧水の後につけるのには、次の理由があります。
- 美容液のほうが化粧水より油分が多いものが多い
- 美容液の成分には分子が大きいものが多い
- 化粧水を先につけたほうが肌が柔らかくなり美容液が浸透しやすい
- 美容液のほうが化粧水より油分が多いものが多い
美容液は油分を含む商品が多いため、化粧水より前に美容液をつけると、化粧水の水分は油分で弾かれて浸透しにくくなります。反対に化粧水の後に油分を含み保湿力のある美容液をつけると、化粧水の水分を逃さないようにキープすることができます。
美容液は「保湿」機能を果たしていることも大きいので、化粧水の後につけたほうが水分を逃がすことななく保湿効果をUPできます。
美容液の成分には分子が大きいものが多い
分子とは成分の最小単位のこと。分子が大きい成分は小さい成分より、肌に浸透しにくくなります。
分子が大きいトロリとした粘度のある成分を先につけてしまうと、サラサラとした水っぽい分子が小さい成分は浸透しにくくなってしまいます。反対に、低分子の成分を先に塗れば高分子の成分で蓋をされてキープし蒸発を防ぐこともできます。
ヒアルロン酸はアミノ酸の約3,000倍の大きさ!
分子の大きい成分は、美容液にも多く配合されているヒアルロン酸があります。ヒアルロン酸はアミノ酸(プラセンタなどの成分がアミノ酸です)の3,000倍も大きな分子です。美容液は粘度があるトロリとしたテクステャーのものが多いのは、高分子の成分を配合している証拠です。
美容液に限らずスキンケアの順番は、「分子の大きなものは小さいものより後でつける」がセオリーで
化粧水を先につけたほうが美容液が浸透しやすい
美容液の順番を化粧水の後にするのは、化粧水の水分で柔らかくなった肌に美容液をつけたほうがより浸透しやすいからです。
思い浮かべてみて下さい。硬くなったご飯にトロリとしたカレーをかけるとなかなか馴染みませんが、水分を含んだ炊きたての柔らかいご飯にならすぐに馴染みます。
この例と同様に化粧水をつけて水分を補給して柔らかくなった肌のほうが、美容液が浸透しやすく効果を発揮できます。
つける順番が最初の美容液とは?【順番の例外は肌を柔らかくする美容液】
最近は「洗顔後にすぐ美容液をつける」と使用方法に書かれた、スキンケアの最初に使う美容液もあります。このタイプは「保湿」や「美白」「たるみ対策」「シワ改善」などの美容液とは作用が違っていて、肌をクリアにしてスキンケア効果をUPする美容液です。
代表的なものが界面活性剤やピーリング(角質を取る)成分が配合された美容液。洗顔後に一番最初にこのタイプの美容液をつけると、硬かった肌が柔らかくなったり古い角質が取れたりして、その後の化粧品の浸透がよくなります。
ブースター美容液・導入美容液とネーミングをされているものが多いので、なんとなくわかりますよね。
化粧水の前に美容液をつけるという矛盾
ここでちょっとした矛盾が生まれます。
化粧水は水分で肌を柔らかくして美容液の浸透を良くするためにつけたのに、化粧水の浸透をよくするためにその前にまたつける美容液が出現しました。スキンケアの効果をよくするための無限ループみたいです…。化粧水の前につける美容液は、あくまでも他のアイテムの効果を引き出すためのものでしかありません。
年齢を重ねるとターンオーバーが乱れて角質が肥大化し、皮膚が固くなって化粧品の浸透が悪くなるのは確かです。けれども角質を取るケアならば美容液ではなく、ピーリングなどの角質ケアのアイテムで行うのが適切。化粧水の浸透を高めるためなら、洗顔後の油分のついていない清潔な肌に化粧水をつけるのが一番です。
順番が一番最後の美容液ってどんなもの【油分が多い&刺激が強いもの】
美容液の順番の例外では、スキンケアの一番最後につける美容液もあります。おもにスポットタイプで、主に目元や口元の小ジワ対策など、部分集中の美容液です。なぜ順番が一番最後なのでしょう?
理由その1 油分が多い
小ジワ対策用の美容液はコッテリとした油分が多いタイプで、乳液やクリームよりも重いので先につけると乳液やクリームが浸透しづらい状態に。さらに最後につける理由には、油分の多いものが顔全体に広がるのを防ぐ目的もあります。
理由その2 刺激が強い
シミやシワ改善の成分の中には、効果も高いけれど刺激も強い成分があります。たとえばレチノールや一部の種類のビタミンCなどです。刺激の強い成分はできるだけ乳液やクリームで肌を保護した上から、局所的につけたほうが肌トラブルになりません。
sissyは以前にシミ取り用の美容クリームを欲張ってほほ全体に広げてぬっていたら、顔全体がボロボロと粉をふいて乾燥し大変な状態になったことがありました。トホホ…
結論:美容液の順番は化粧水の後【使用方法どおりに使うのが大前提】
美容液の順番は、化粧水の後につけるのが基本です。
化粧水の後につけたほうが美容液の浸透がよくなり、化粧水の水分も閉じ込めることができるので、相乗効果でスキンケアの効果がUPするからです。
化粧水の前につけるタイプは、その後の化粧水などの浸透をよくする「サポート」的な美容液。肌に残る油分をとったり肌を柔らかくしたり…けれども美容液単体には保湿や美白などの美容効果がないものがほとんどです。あくまでもサブ(2番目の)美容液と位置づけておくのが適切です。
美容液の順番で一番大事なことは、製造メーカーが推奨している順番で使うこと。商品には必ず「使用方法」に使い方が記載してあります。「洗顔後の肌に」や「化粧水で肌を整えた後に」など、書かれているとおりの順番を守りましょう。メーカーの推奨する美容液の順番が、そのアイテムを作り知り尽くしたプロたちが、一番効果のでる順番です。
「化粧水の前につけたほうが浸透する気がする」とか「〇〇のタイミングのほうが保湿できる」と自分の感覚でスキンケアの順番を変えないことをおすすめします。
美容液を複数を使う場合や、パックをする場合、美顔器を使う場合の美容液の順番についても別のブログでご紹介します。
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