乾燥する季節…肘や膝、かかとなどの屈曲する部分の乾燥だけでなく、スネや腕などカラダ中が乾燥しちゃいますね。そんなとき、乾燥対策のスキンケアに何をつかいますか?
ワセリン?ベビーオイル?それともオリーブオイル?
今回のブログでは、油分でどのくらい肌を保湿できるのか、油分の種類による効果の違いなどをお伝えします。
あなたのこれまでの乾燥ケアは間違っていたかもしれません…オイル成分の本当の効果をチェックして、乾燥する季節のスキンケアに役立ててください♪
ブログ主のsissyは化粧品メーカー勤務のアラフィーです。
最近は改めて、化粧品成分について検証をすすめています。化粧品を購入する際に、消費者の方がキャッチコピーだけで購入せずに成分表示を見て選べるように情報発信もしています。
油分だけでは保湿はできない
乾燥する肌・・・オイルをたっぷり塗って潤いを閉じ込めよう!
これで保湿はOKと思ったら大間違い。残念ながら油性成分であるオイルだけでは肌の保湿はできないのです。
「スキンケアはせずに、ワセリンだけ塗って寝る」とか「乾燥するボディにはオリーブオイルを塗る」とかだけでは、乾燥したお肌はそのまんま。オイルは肌にもなじみにくいのでベタベタするだけなのです。
油分のスキンケア効果とは?
油分、化粧品においては油性成分にはいくつかの種類がありますが、効果はほとんど同じで次の3つがあります。
- 水分が蒸発するのを防いでうるおいを保つ(エモリエント効果)
- 肌を柔らかくする(柔軟効果)
- 肌を刺激や雑菌から守る(保護効果)
この3つの効果を見て、お分かりになりましたでしょうか??
そう!油性成分そのものには、うるおいを与える効果はなくてうるおいをキープすることでの保湿作用しかないのです。
要するに油分だけでは保湿できない、ということです。
油分の効果は肌にある水分をキープすること
油性成分の保湿効果とは、もともと肌にある水分が蒸発しないようにキープする「蓋」や「ラップ」のような役目です。
だから、もともと乾燥してうるおいがない肌にどれだけ油性成分を塗りたくっても全く乾燥は改善されません。(現状維持が精一杯)
人の肌の水分量は生まれた時をピークにずっと減り続け、女性は40代くらいからは皮脂分泌量も減るのでますます潤いを保てなくなります。
まだまだ肌が若くうるおいもある10代や20代前半くらいの肌なら、自らうるおいを生み出すことができるので乾燥する時期に油分を補うくらいでも保湿できるかもしれませんが、30代以降の女性が油分だけで保湿をしようなんて…「みずから乾燥肌を促進しているようなもの」です。
肌の保湿は化粧水や美容液で保湿成分を補ってから油性成分で蒸発を防ぐ、これが正しい保湿方法なのです。
油性成分はどれも同じ?【油分も使い分けよう!】
油性成分には前途の3つの効果がありますが、このうち、どれか一つがかけている油性成分やどれか一つが特に秀逸な成分など、油性成分の種類ごとに特徴があります。
使い分けができないと、それで保湿ができなかったりかえって肌あれの原因になってしまうことも…。
種類別の特徴を理解しましょう。
ワセリン・ミネラルオイル・スクワラン【蒸発を防ぐだけの炭化水素】
炭化水素の油性成分には、ワセリン・ミネラルオイル・スクワランなどがあります。
ワセリンは“石油由来の鉱物油”です。半い固形のペースト状で、単体でも医薬品や化粧品として販売され、軟膏の基材としてもつかわれています。
ミネラルオイルも“石油由来の鉱物油”ですがこちらは液状。ベビーオイルなどの商品に使われているものがコレにあたります。安価なので、大量の油分を必要とするクレンジングオイルもミネラルオイルを主として配合しています。
スクワランは、動物由来のものと植物由来(オリーブからとれる)のものがあります。
ワセリンとミネラルオイルは、液状か半固形かの違いだけで、本質的には同じもの。肌への吸収性が低いため、効果は水分の蒸散を防ぐだけ。肌の柔軟効果はありません。
スクワランは、浸透性もよく柔軟作用もあります。潤滑性にすぐれベタつかないので感触を改良するモック的でも使われ、紫外線・熱に強く、酸化しにくい安定した成分です。
ロウ(ワックス)【クリームにかたさ調整・ツヤ向上】
ロウ(ワックス)は天然の油性成分です。植物性(キャンデリラロウ、ホホバ種子油)、動物性(ミツロウ、ラノリン=半固形)があります。
ホホバ種子油は液体のロウ(ワックス)で、優れた保湿効果があります。低温で固形化しやすく7℃以下になると固まってしまいます。同じ植物由来の油性成分でもオリーブ油に比べると酸化しにくく、ニキビの原因になりにくい成分です。
ミツロウは固形のロウ(ワックス)で、密閉性が高く皮膚の保護効果が高いのが特徴です。クリームの伸びの調整、マスカラの皮膜形成、ヘアワックスなどに使われています。
皮脂に近い成分【オリーブ果実油やシア脂などの油脂】
天然の油性成分である油脂は、皮脂の主成分で一般的に「あぶら」と言われているもののこと。オリーブ果実油、マカデミア種子油、アルガンオイル(アルガニアスピノザ核油)、シア脂、ヤシ油、馬油など。「油」と「脂」の使い分けは、室温で液体のものが「油」、ペースト・半固形のものが「脂」です。水分蒸発抑制にくわえ肌をやわらかくするエモリエント効果にすぐれています。
オリーブ果実油:水分を抱え込む保水効果があり、肌を柔らかくする効果もあります。皮脂の約40%を占めるトリグリセリドが主成分で、ニキビの原因になるアクネ菌の餌になることがあります。
化粧品に欠かせない【エステル油】
合成でつくられた油性成分で、天然油の代用としてさまざまな機能をもった種類が作られているのエステル油です。
- エチルヘキサン酸セチル
- トリエチルヘキサノイン
- ミスチリン酸イソプロピル
- トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル
合成・鉱物・天然どの油性成分がいいの?
油性成分には、合成(人工的につくられたもの)、鉱物由来(石油などからつくられたもの)、天然(植物油や動物油からつくられたもの)があります。
なんとなく「天然のほうが肌にいい、やさしい、刺激がすくない」と思いがちですが、そういうわけでもありません。
天然であろうと、鉱物由来であろうと不純物を含んでいると、それが肌によくない不純物の場合は刺激になる場合があります。いかに高度な精製をして不純物を取り除いているか?がポイントに。天然のものは、「あえて手を加えない」ということをウリにした油性成分もあるのでその点は要注意です。
その点、合成の油性成分は天然に存在する油と同じ成分や、天然には存在しない油、季節や採集地によって品質不安定な油を人工的につくっているのでクオリティは安定します。
保湿は「保湿成分」+「油性成分」で!油分の種類も見分けよう
オイル=油性成分の保湿効果とは、肌にある水分を閉じ込める効果であって肌にうるおいを与える効果はありません。(オリーブ果実油は、保水力あり)だから、油分だけでは肌保湿することはできないので、必ず化粧水や美容液などでほ保水力のある保湿成分を与えることとセットでケアすることがポイントです。
また油分のなかでも、肌をやわらかくする効果があるものとないもの、肌への浸透がよいものとそうでないものがあるので、種類を見分けて使う用途に最適な油性成分を選べるようになりましょう♪
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